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特色検査ってなに?〈神奈川県の公立高校入試 〉

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こんにちは。ORIONです。

今回は、神奈川の高校入試で実施されている特色検査についての記事です。特色検査は、学力向上進学重点校やそのエントリー校、または芸術系の学科・コースで行われるものがあります。

  特色検査は、実技検査と自己表現検査に分かれます。

 実技検査

→主に体育コースや芸術系の学科・コースで実施されるもの

 

自己表現検査

→学力向上進学重点校やそのエントリー校などで実施される筆記型のものが中心

 

筆記型の特色検査は、科目横断型であり、思考力・判断力・表現力が問われる形式で、難度は高くなっています。科目横断型とは、理科や社会の内容の設問が英文で書かれていたりするイメージでしょうか。非常にハイレベルです。

 

湘南高校では音楽や技術家庭などに関する問題も出題されたこともあるよ。中学では、主要5科目だけでなく技能科目も含めて9科目しっかり学習することが大切だね

2019年度の入試から共通問題も!

平成31年度の入試より学力向上進学重点校の4校(横浜翠嵐・柏陽・湘南・厚木)と学力向上進学重点校エントリー校のうち3校(希望ケ丘・横須賀・平塚江南)では特色検査(自己表現)において同じ問題を使用する共通問題といくつかの問題の中から各学校側が選ぶ共通選択問題を用いて60分で実施されるようになりました。


平成32年度入試からは上記以外の学力向上進学重点校エントリー校10校(川和・光陵・茅ヶ崎北陵・小田原・相模原・多摩・横浜平沼・横浜緑ケ丘・鎌倉・大和)でも共通問題および共通選択問題を用いた特色検査(自己表現検査)が実際されます。

 

2019年度の特色検査の傾向はどうだったのか?

2019年度の特色検査は2018年度までの特色検査とは大きく変化しました。その要因は、県教育委員会が一括して問題を作成したことに起因します。2018年度までは各高校が独自に作成していましたから、それが共通問題になることによって、内容が大きく変化したのは当然の流れであると言えます。では、その内容はどのように変わったのでしょうか。

 

共通問題

「共通問題」とは特色検査実施の全校が共通して出題する問題です。この設問部分については、湘南高校も翠嵐高校も同じ内容の出題です。問1と問2の2題がこれにあたる部分でした。問1が各5点×5問=25点、問2も各5点×5問=25点となっていて、合計50点分が共通という事ですね。残りの50点分が「選択問題」となっており、これは県教育委員会が作成した問題の中から各高校が設問を選択して出題されます。

 

では次に、実際の出題内容についてご紹介します。

 

問1:英語読解問題

問1は全校共通問題ですが、英語の読解問題の出題でした。2018年度までの厚木高校や柏陽高校で出題されていた設問の傾向に似ています。英文を読むだけでなく、与えられた表や資料を活用して計算を行う形式であり、英語力と同時に数学的思考力も求められています。計算自体は小学生で学習する割合計算であり、このレベルの生徒であればそれほど苦労しないとは思いますが、正しい計算を行うための英語長文読解力が必要でした。そして、その長文の内容は、高校進学後の英語学習においてどういう心構えで取り組んでいったら良いのかというメッセージが含まれており、良問であると感じました。

 

問2:文章読解

問2は国語の文章読解をベースにしていますが、理科に関する内容、数学の空間図形や三平方の定理などに関する内容も含まれている教科横断型の問題と言えます。3つの文章をで、文章の内容理解に関する問題から始まり、数学や理科の問題に発展していく形式でした。特色検査の問題としては、けっして難しいレベルの出題ではありませんでしたが、文章の一部だけを読み取るという事ではなく、全体内容をしっかりと把握して照合する力が求められていました。また、出題された文章は、学ぶことの本当の意味を真摯に受験生に問いかけてきます。問1の英文も高校進学後のお学習における心構えについてのメッセージが含まれていましたが、同様にこの問2の文章も受験生へのメッセージ性を感じます。個人的には、非常にセンスの良いしゅつだいだなあ、と感じました。物事を様々な角度から見て考える力、思考の幅を広げて柔軟に、冷静に考える力が求められています。

 

選択問題

問3以降は選択問題です。選択問題は4題用意されていて、この中から各高校が選択を行ったようです。ちなみに横浜翠嵐と厚木高校では選択問題も全く同じチョイスでしたので、全問同じ設問となっていました。

 

◆資料読み取り:農産物の貿易について

柏陽、横浜翠嵐、厚木で出題された設問です。世界のトウモロコシの生産量と輸出量についてのグラフや資料を読み取り、計算を行う問題でした。社会科的な内容と数学的計算力の融合問題と言えます。面倒な計算を正確に行う力、グラフなどの資料を読み取る力が必要でした。

◆パズル的設問

湘南、希望が丘、平塚江南で出題された問題です。希望が丘では、このようなパズル的設問を従来から好んで出題していました。個人的には解いていて楽しいと感じる問題で、大好きです。柏陽や湘南も立体に関する問題や展開図に関する問題などが出題されることが多かったので、この設問を選択したことには納得します。1つ1つの問題の難易度は高くなく、また関連性もない小問集合の形式になっていました。類題を楽しんで解くことが1番の対策でしょう。

◆音楽を題材にした問題

湘南高校は従来から技能4科目に関する出題があったので、「いかにも」という感じですが、今回は湘南、平塚江南、柏陽、希望が丘において出題されました。音楽が題材なので、音符や音階に関する基本的な知識がないと解けない設問もあり、日頃から技能科目の学習も主体的に行っておくことが大切です。また、音楽を題材にしながらも、音の高さと振動数についての数学的要素も求められています。メロデイーロードの仕組みを文章から読み取る高度な読解力、速さや溝の間隔から振動数を計算する数学力が求められていました。情報処理のレベルの高さと正解に至るまでの計算の手順の多さを踏まえると、非常にレベルの高い設問であったと言えます。

◆プログラミング的思考問題

プログラミング的思考力は2020年度の必修化に向けて動き出していて、ちまたの話題も多くなっていますが、特色検査でも出題がありました。今回は、横浜翠嵐、厚木でこの設問が選択されました。保健体育の知識問題も含まれており、治験に対する過程検証、理解フローチャートを題材にプログラミング的思考力を要求する問題でしたが、難易度は低めであったと言えます。特別なプログラミング的応力の対策は必要がなく、論理的に思考することができれば正解にたどり着くことができます。但し、今後プログラミング教育が必修化されていくことを踏まえると、注目しておきたい設問ですね。

 

まとめ

まず5科目の土台をしっかり

特色検査の2019年度出題における最新情報でした。来春からは実施校も増加して、上位校を受検する生徒は必須になってきています。但し、そのための特別な対策を中1や中2から行わなくてはいけない、という事ではなく、あくまで主要5科目の基礎知識や学習が土台になっていることは覚えておきましょう。また、技能科目に関する出題もありますから、中学校での学習全般を主体的に行うことが大切ですね。

 

特色検査の対策は、あくまで主要5科目の基礎知識や学習が土台です。下の問題集は5年分の過去問題ですが、解き始めるのは5科目の土台が固まる夏以降が良いでしょう。早めに入手して、どんな傾向か、を確認しておくのはと思います。