水を飲みたがらない馬を川辺に連れていくことはできても水を飲ませることはできない
勉強にやる気を持てない生徒を前にしたときに、この言葉が頭をよぎります。教えても教えても、右の耳から左の耳に言葉が通過していっている感覚。
コップが下を向いている、という言い方もあります。
注いでも注いでもコップに水はたまらない。どうすればコップが上を向くのだろう、と無力感を感じます。
叱っても、励ましても、そう簡単にはいきませんよね。
「君はやればできるんだ。頑張れ。」という言葉だけで、やる気を出してくれるなら、こんなに簡単なことはない。
こんな生徒には、継続的に辛抱強く、心からの期待をかけて、誠実な言葉を届けていくしかないのだろうな、と思います。うわべだけの期待ではなく、心からの期待の言葉を伝え続けるということです。今風の子供の心情では「うざい」と受け取られることもあるかもしれません。でも、心からの言葉はきっと伝わると思うのです。
植木に水をやるように、少しずつ伝えていく。少し注いで、染み込むのを待って、また少し注ぐ。ドバドバ注いだら、根が腐ってしまうかもしれません。定期的に水を注がないと枯れてしまうかもしれません。
そして、いつの日か、信頼関係ができたときに、言葉が届くようになるのではないでしょうか。目の前の一人に関心を持ち、きちんと向き合って、その子の可能性を信じて、期待する気持ちが伝われば、コップが上を向いてくるのではないかと、そんな風に思うのです。
今日も読んでいただいて、ありがとうございました。