こんにちは。ORIONです。
「うちの子は頑張っているのに成績が上がらない、どうしてなんでしょうか?」と保護者の方に聞かれることが良くあります。この場合の「頑張っている」というのは、机に向かう時間が長いという意味であることが多いのですが、長い時間勉強したからといって、必ずしも成績が上がるわけではありません。正しい勉強のやり方、効率の良い学習方法で勉強ができていなければ、長い時間頑張っても成績は上がらないのです。だから、このような悩みを解消するために、今回は勉強の王道といえる学習方法についてまとめてみたいと思います。
勉強には2種類ある!
まず、知っておかないといけないことは、勉強には2種類あるという事です。これを理解していないと、見当違いの努力で時間を費やすことになります。ガムシャラに頑張るのではなく、自分がどのような目的で机に向かっているのかを理解することがスタートラインです。では、その2種類の勉強とは何なのでしょうか?
知識と訓練
一つは、「知識を理解する学習」です。当たり前のことじゃないか、と思われますよね。でも、これだけでは学力は上がりません。もう一つの学習である「知識を使う訓練」も同時に必要なのです。つまり、音楽に例えるならば、ピアノの弾き方を知ることは知識を身に付けることです。でも、弾き方を知っているだけでは、ピアノは弾けません。自然に手が動くようになるためには 、何度も何度も反復練習をして、身に付ける必要があるのです。これが訓練です。スポーツも同じですよね。例えばクロールの泳ぎ方を理解しただけでは、体は動きません。腕をこう動かして、足はこう動かして、息継ぎはこのタイミング、と頭で理解していても、実際に水に入って練習をしなければ、泳げるようにはなりません。おぼれてしまいますよね。だから、知識と訓練の二つが必要であり、理解した上で訓練することが重要なのです。
英語ならば、単語の意味、文法が分かっているだけでは、外国人と会話はできません。リスニングやスピーキングがスラスラとできるようになるには、訓練が必要なのです。まず、そのことを理解しましょう。その上で、テストで得点が思うように取れなかったときに、自分に足りないものは何かという事をその視点で考えてみましょう。つまり、「理解ができていないのか」それとも「訓練が足りないのか」という事を自己分析して、目的をもって机に向かう事が大切なのです。
頑張っているのに成績が上がらない、という場合は、ここまでの内容が分かっていない場合が多いように思います。理解しただけで満足してしまい、知識を使う訓練が足りなければ、「分かってたのになあ」とか「時間があればできたのに」という事になってしまいます。
応用問題に立ち向かうには?
また、「応用問題が解けない」という悩みを聞くこともありますが、この原因も根本的には同じです。つまり、しっかりと理解し、訓練で身に付けた知識があって初めて応用が利くようになるのです。思考力や判断力は確かな知識がなければ成り立たないのですね。だから、応用問題や難問に立ち向かうためには、たくさんの基本問題を解いて、様々なパターンの解法を訓練しなくてはならないのです。
理系科目は「センス」ではなく「経験」
図形の問題を解説していて、「ココに補助線を引くんだ!そうすれば、ほらスラスラ解けるよね」と伝えたときに、「あーそうか。でも思いつかないよー」という生徒は少なくありません。そして、「俺って、数学のセンスないんだよなー」などと言っているのです。これも大きな間違いです。補助線はセンスで引くのではなく、必然があるから引くのです。この形ならば、ココに線を引けば相似が使える、あの定理が使える、という事に気が付くかどうか、それは過去に似たパターンの問題を解いた経験の有無なのです。図形の中には、その問題を解くための様々な材料が隠れています。円の直径があればこうする、垂線はこう利用する、平行線は。。。。という知識の使い方を知っていて、訓練で身に付けていることが大切なのです。引き出しをたくさん持っていて、問題に合わせて、どの引き出しを開けていくのか、という感覚ができてくると問題を解くのが楽しくなります。パズルを解くように、楽しく頭を使えるようになりたいですよね!
5つのステップ
「知識を理解する勉強」と「知識を使う訓練としての勉強」の2種類について理解した上で、効率の良い学習の進め方をしていきましょう。効率の良い学習の進め方には5つのステップがあります。
ステップ①「全体把握」
例えば定期テスト勉強ならば、範囲が分かったら、まず教科書でその範囲を一気に読み切ります。細かい内容の理解や記憶はしなくても構いませんから、スピード感をもって読み切りましょう。多くの時間をかけなくても構いません。ここでは「全体像の把握」を意識します。そして、この全体像の把握がこの後の学習の土台になります。「なるほど、だいたいこんな感じなのね」ということがザックリ分かれば十分です。
ステップ②「理解」
全体の把握が終わったら、次は各章ごとにじっくりと読み進めます。数学であれば、解法例を参考にしながら実際に問題を解いてみましょう。歴史であれば、流れや因果関係を理解するように意識しましょう。何年にこんな出来事があった、ということだけでなく、なぜそうなったのか、その出来事はその後どのように影響してくるのか、ということを考えていきましょう。丸暗記ではなく理解することが重要ですから、ここは時間をかけて学習するところですね。
ステップ③「記憶」
次にいよいよ「記憶」です。ステップ②で理解した内容を「記憶」していきます。「知識を使う訓練」をしているという意識を持ちましょう。理解しているだけでは、テストで解ける様にはならないのです。数学ならば、例題と同じ問題を「何も見ないで、自分の力だけで解く」ということをしていきます。答えを覚えている、という事ではなく、解き方を覚えているか、という点に意識を集中しましょう。
ステップ⓸「復習」
そして、次のステップでは「復習」に進みます。これを怠ると効果半減ですから、ぬかりなく行いましょう。復習を反復すれば、短期記憶は長期記憶に変化します。繰り返すほどに短時間でできるようになっていくと思います。
演習の中で知識を使う事も復習になります。同じ問題だけではなく、類題演習も段階的に行い、知識を使うことを意識しましょう。基本ができてきたと感じたら、応用問題にも取り組んでいきます。
ステップ⓹「テスト」
さあ、仕上げです。定期テストや模擬テストで力を試しましょう。完璧!と思っていても、意外な問題で失点することもあるでしょう。限られた時間の中で、焦ってしまい、ミスをするかもしれません。定期テストや模擬試験はゴールではなく、通過点です。だから、解きなおしを行い、不十分だった部分は、ステップ2~4に戻って、理解→記憶→復習をやり直しましょう。
まとめ
意識を変えよう
いかがだったでしょうか?
少し意識を変えて、正しい学習をすることで、成績は上がっていきます。どうせ頑張るのなら、成果が出るように、正しい学習方法で行った方がいいですよね!
そして、成果が出れば勉強は楽しくなってきます。楽しくやることが、やっぱり一番なのです。「いやだなー」と思いながらやっても成果は出ません。
「頑張っているのに成果が出ない」という勉強法を続けていると、学ぶことが苦痛になり、やがて勉強が嫌いになっていってしまいます。そうなる前に、正しい勉強方法に修正していきましょう。そして、「学ぶことが楽しい」そう思える自分に出会えたら、それは一生の宝物です。