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湘南高校 進学実績だけではない7つの魅力

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神奈川の雄、湘南高校はもちろんご存知ですよね。旧制中学の六中、県⽴湘南中学校として開校された湘南高校は、2021年には創⽴100年を迎える伝統校です。2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸博士、元東京都知事の石原慎太郎氏を排出するなど、言わずと知れた神奈川県のトップ進学校の一つです。今回は、この湘南高校の魅力について語ります。

 

 

その1:設備とアクセス

湘南高校は、小田急線の藤沢本町駅から徒歩7分。敷地面積は約4万6千平方メートルもあり、広いグランドに体育館はなんと2つもあります。現在は首都圏有数の男女共学の進学校として知られていますが、実は湘南高校は1921年の開校以来、「三育(知育、徳育、体育)」を推進し、なかでも「体育」を重視しているのです。だからスポーツ設備も充実しているのですね。1949年の甲子園大会では野球部が全国制覇、1946年にはサッカー部も全国制覇したそうです。

勉強だけではなく、スポーツ・学校行事を大切にして人材を育成しているのが湘南高校の特徴のようです。

 

その2:伝統と理念

27年務めた初代の⾚木愛太郎校⻑が、教育理念の礎をつくられました。「文武両道で⽇本⼀の学校をつくろう」と取り組まれた伝統が、今も息づいていているのですね。だから湘南高校では、体育祭などの⾏事や部活動が⼤事にされています。「健全な魂は健全な⾁体に宿る」というように、生徒たちは勉学だけでなく、さまざまな形で3年間体⼒をしっかりつけ、⾏事に取り組んでいます。⾏事を企画運営する中では、議論もあれば軋轢もある。そこを乗り越えたうえで受験に向かうのが湘南⾼校の教育の根幹です。

 

その3:グローバル教育

グローバル化という時代に合わせた教育にも積極的に取り組んでいます。グローバル教育の中で、海外への意欲を強力に後押しするのが、公益社団法人湘友会奨学財団の設立。卒業生たちの寄付を中心として、湘南生に対して海外研修を主とする資金面での支援活動をしてくれているそうです。OBの存在が湘南グローバルの価値をさらに高めているのですね。

グローバル教育の中で行われる海外研修では、1年生、2年生の希望者44名が毎年、イギリスやアメリカに⾏っています。また、湘南⾼校の卒業生でノーベル化学賞を受けられた根岸英⼀先生が特別教授を務めるパデュー⼤学にも、何回か訪問しています。今後はシカゴ、ニューヨークに⾏く予定もあるそうで、とても充実していますね。

さらに神奈川では湘南と柏陽、東京では⻄と⽇⽐⾕、埼⽟では県⽴浦和と浦和⼀女、千葉では県⽴千葉と県⽴船橋の計8校で、夏季休業中にスタンフォード大学での研修も⾏っています。神奈川県の進学重点校とエントリー校の17校で、アメリカのクレアモントにも⾏っているそうです。湘南⾼校では、将来的に⽣徒たちが活躍するところは⽇本だけでなく世界だと考えて、早いうちに海外でのモノの考え⽅を身に付けるような環境を与えているのです。

 

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その4:日本一の体育祭に3千人の見物客

湘南高校の生徒やOBたちは『湘南の体育祭は日本一』だと言ってはばからない人も多くいるそうです。もちろん何をもって日本一なのかという定義は曖昧なのですが、確かにそのスケール感と派手さは地元では有名です。保護者を含め地元から毎年3000人あまりが見物につめかけるのです。もう、それだけですごいですよね。

 

湘南高校の1学年の生徒数は約360人。40人制で9クラスありますが、9月の体育祭では高1~3年までの9クラスが縦割り9色のチームに分かれて勝敗を競い、大いに盛り上がるそうです。


この縦割りカラーは体育祭だけではなく、実は4月から始まります。まず1年生が⼊学すると、9⾊のトップに⽴っている総務⻑(生徒の代表)中⼼に対⾯式があり、4月後半には陸上記録会があります。これもやはりカラー別対抗です。このころからカラーごとのTシャツが登場し、徐々に熱を帯びて盛り上がっていくのです。


そして、陸上記録会が行われる4月後半ごろから11月上旬ごろまでは、「対組競技」という名目でのスポーツ大会があります。湘南高校のスポーツ大会は、⻑期間にわたって昼休みに、いろいろな種⽬をクラス対抗で行います。1~2日間で一気に行う学校が多いと思いますが、湘南高校では違うのですね。
また、全員強制ではないので、運動の苦手な生徒に無理強いは行いません。運動が得意な人は選手、苦手な人は応援にと、それぞれ分かれて盛り上がります。このようなユニークな企画もすべて生徒が⾏っているところが素晴らしいですね。

 

そして7月の合唱コンクールが終わると夏休み。そのころから、いよいよ体育祭に向けて本格的な準備に⼊ります。スポーツの得意な生徒は競技を頑張るのですが、それ以外の生徒も各自の得意分野ごとに分担して準備作業を進めます。例えば理系の得意な生徒は大道具や看板づくりなどの設計や制作を担当し、絵の得意な生徒は看板そのものを描くというように。そして「5×6メートルの巨大看板」を9チームごとに制作し、装飾美も競われます。各チームとも実に1年かけてチームワークを育て、企画を練り、看板や仮装、各道具づくりなどの準備を行うのです。

まさに巨大プロジェクトともいえる行事ですね。そしてこのプロジェクトは、全員が参加してやり遂げることに大きな意義があるのです。

こうして4月から11月までは、生徒たちが⾃主的に⾏事を⾏いながら、縦割りカラーで競っていく時期となっているのです。そして11月から3月までは、まさに勉強モード⼀⾊。受験生中心に猛烈に勉強し、追い込みをかけていく時期。このメリハリが湘南高校を全国有数の進学校に押し上げているのですね。

 

その5:部活動への加⼊率は190%

現在、⽂化部が26、運動部が18ありますが、加⼊率は190%だそうです。なんと、100%を越えていますね。その秘密はもちろん兼部。たとえば野球部員が天⽂部にも⼊っているなど、一人でいくつかの部活動を兼ねている人もたくさんいるのです。

そのほか、部ではないのですが、ダンスや少林寺、落語などの同好会も5つあり、ダンス同好会はテレビで紹介されたりもしたりしています。

兼部といっても、いい加減にやっているのではなく、すべてを⼀生懸命にやっている生徒が多いそうです。だから、合唱部は毎年関東⼤会、全国⼤会に近いところまで行っていますし、⽂化祭では、合唱部、吹奏楽部、弦楽部が⼀緒にエルガーの「威⾵堂々」やベートーベンの「第九」をやったりと活躍しています。野球部も近年神奈川ベスト16まで行ったことは記憶に新しいですし、ラグビーもベスト8まで⾏くことが多いですね。まさに、文武両道です。

 

その6:アウトプットまでさせる伝統の70分授業

さて、11月下旬になると広い校内から喧噪感が消え、勉強モード全開になっていきます。湘南高校の1時限の授業時間は70分。通常の高校は50分のところが多いと思いますが、20分も長いのですね。そして授業の進行速度は速い。「例えば、森鴎外の『舞姫』に普通の高校が10時間かけるとしたら、ウチは3時間で終わらせる」と湘南高校の教師は話します。

 

背景には、「前回の授業の復習をして、演習をこってりやり、各生徒の発表などをやるには70分授業が理想的」という考え方があります。だから湘南⾼校では伝統的に、1時限70分の授業なのですね。確かに「理解」に⾄るには、インプットだけではだめで、どうアウトプットさせるかが重要。70分あれば、生徒ひとりひとりのアウトプットを⾒ることもできますから、湘南高校の生徒は理解度が高くなるのだと思います。こうした授業の積み重ねが、確かな基礎学⼒を支えているのですね。


そのうえで、⾏事や部活で鍛えられた精神⼒と体⼒で、集中的に受験勉強をやっていきますから、特に⼤学⼊試に向けて3年生の12月半ばごろからぐんぐん点数が上がっていくそうです。この結果は、⽂武両道をかかげている湘南高校ならではです。

 

その7:回復する東大進学実績

湘南高校は神奈川県で有数の進学校です。もうそれは誰も疑う余地はありませんよね。東大合格実績もかつては全国トップ10の常連として、当たり前のように70名以上の合格者を出していました。

しかし、私立中高一貫校の台頭の中、1980年代半ばから下降の一途を辿り、2000年代初頭は合格者がついに一桁まで陥落。湘南高校が神奈川で1番とは言えない状況に陥りました。

しかし湘南高校は黙ってはいませんでした。その後、学校改革を推し進めて2012年には久しぶりに東大合格者実績が20人前後にまで回復。その後、2017年の合格実績では東大18人、東工大13人、一橋大6人、京都大学5人となり、この年の国公立大学の合計合格者は156人を数えました。さらに、2018年は東大25名まで大躍進。巻き返しを見せています。

2019年度の湘南高校の東大合格者数は19名。ちなみに横浜翠嵐高校は21名。埼玉県立浦和高校は41名。東京都立日比谷高校は51名。県立千葉高校が19名。私立の中高一貫が実績を伸ばす中、湘南高校は県立高校としてはかなりの回復と健闘をしていると言えますね。さすがは湘南高校です。

 

ま と め

「文武両道」という伝統を継承しながらも、グローバル教育など時代に即した取り組みもない、生徒ひとり一人の進路希望を大切にした進学指導を実現している湘南高校は、やはり神奈川のトップブランド校ですね。今後も、社会のリーダーとなり世界を変える人材が、この湘南高校から育っていくことを期待したいと思います。