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分散学習と集中学習

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勉強は毎日コツコツやりましょう、って言われたことありますよね。分かっちゃいるけど、まとめて一気にやってしまいたいと思ってしまい、期限ぎりぎりに一気に宿題を片付けるなんて経験もありますよね。では、なんでコツコツやる方がいいのか?今回はそのことをまとめていきますよ。

僕は効率よく一気に学習するタイプ。面倒な勉強は一気にやった方がいいに決まっているよ。

私はコツコツやるタイプ。計画的に勉強するほうが好きなの。
どちらがいいのかしらね。

 分散学習と集中学習

「一夜漬け 」と言う言葉を知っていますか? その名のとおり、テスト前日にあわてて学習をし、頭に詰め込むような勉強の仕方のことです。 専門用語では、この 「一夜漬け」を「集中学習」と呼びます。一気にまとめて勉強することから「集中」という言葉が使われてい るわけですね。テストに対する不安感や危機感が扁桃体 (脳の一部の器官です)を活性化して、記憶力が爆発的にアップする状態になるので、一気に勉強することができるのです。 

反対に 毎日コツコツ勉強することを「分散学習」と呼びます。「分散」とは、勉強の時間を区切って少しずつ分散して行うことからつけられた名前です。

さて、どちらが勉強の効率が良いのでしょうか。

集中学習と分散学習を実験で検証

実験が行われました。分散学習タイプと集中学習タイプの二つのグループに分かれて、単語の組み合わせを覚えてもらいます。総学習時間はどちらも同じ です。集中学習ではテスト前日に一気に詰め込んだのに 対し、分散学習では 同じ量を3日間に分けて 勉強しました。

集中学習グループ→前日に一気に覚える
分散学習グループ→3日間に分けて覚える

さて、両者の点数はどうだったでしょうか。

驚いたことに、どちらのタイプでもテストの点数はほぼ変わらなかったのです。
つまり、テストの「成績」という観点では、どちらの戦略でもよかったのです。この結果だけを見ると、「なんだー、同じだったら一気にやる方が面倒じゃなくていいよねー」と思う人もいますよね。一夜漬けもあながち効果がないわけではないのですね。

でも、ちょっと待ってください。話しは終わりではありませんよ。
この二つのグループの人たちに、次の日にもう一回抜き打ちテストをしました。すると、点数に差が現れます。

翌日のテストは予告なしに行いましたから、テストへの準備がなされていません。ですから、両者とも点数は低下します。しかし、下がり方が違いました。
分散学習のほうが忘れるスピードが遅かったのです。

やっぱり勉強はコツコツやる方がいいのね。

一気に覚えると一気に忘れる

一気に蓄える集中学習法では、忘却も一気に生じます。つまり、すぐに忘れてしまうのです。これは「睡眠」と深いかかわりがあります。詳しくは、睡眠についての記事も参照してみてください。

「睡眠を制する者は受験を制す」を脳科学も実証! - in my life

脳の中の海馬という器官は、睡眠中に記憶をとどめようという働きをします。 分散学習では、勉強と勉強の間に、夜の睡眠が挟まるため、その都度、記憶が定着するのですね。

繰り返されない記憶は脳が重要ではないという判断をして、詰め込んだ知識は すぐに消えてなくなってしまうのです。だから分散学習型の方が、長く記憶に残るのです。

集中学習のデメリット

今回の実験で、一日目の試験結果に差がなかったという事実には、注意が必要です。なぜなら一夜漬けタイプの人は「自分は要領がいいなあ。だって直前の駆け込み勉強だけで、毎日マジメに勉強している人と同じ点数が取れるのだから」と慢心しがちです。1回目の結果だけを見れば、表面的には同じ成績だったかもしれません。

しかし、一気に覚えた記憶は、一気に忘れてしまうので、受験のような長期の「実力」を必要とする場合では、分散学習の方が断然有利なのです。

結局のところ勉強は積み重ねで効果が上がるのですから、集中学習ばかりではせっかくの勉強が無駄になってしま い、また1から勉強しなおさなければいけなくなってしまいます。結局、コツコツ勉強することが一番効果的なのですね。

受験のような長期的な実力という観点で言えば、コツコツ型に勝る勉強はありません。

一夜漬けの勉強では、本当の実力は伸びないんだね。僕もこれからはコツコツやれるように努力をしていこう。

まとめ

集中学習には、ほかにも 悪影響があります。それはストレスです。記憶力はストレスによって低下してしまうのです。だから、追い詰められた状況での切羽詰ったテスト勉強は、良くないのです。

だからといって、テスト前に念入りにプランを練って、余裕のありすぎるスケジュー ルを立ててしまうのも、また考えものです。緊張感が持続せず、やる気が沈滞してしまうのです。これもまた記憶にとっては好ましくありません。

「油断――それが人間のもっとも身近にいる敵である」と文豪シェイクスピアが戯曲を通して語ってい るように、マンネリ化せず、適度な緊張感を保ちながら、興味を持つ ことを大事に勉強することが、効率よく学習できるコツなのですね。